私は技術者として10年近く働いてきました。
会社も2か所ですが渡り歩きました。
その中で、色々な技術者と仕事をしてきましたが、私を含め企業の技術者には共通した誤解があるような気がします。
それは、技術者は特定の専門性が高くなくてはいけない、という思い込みです。
専門性が高いに越したことはありません。
しかし、狭い範囲での深い専門性より、浅くても広い知識のほうが企業の技術者として有効であると実感することが多いです。
大学の先生は別です。
専門性を極限にまで高め、その領域で第一人者になることで生き残る術を見出せます。
しかし、企業はある程度汎用性のある人材を求めます。あることはすごくわかるけど、それ以外はできない、ということでは組織に柔軟性を持たせることが難しいです。
私が今まで出会った技術者はこの道の専門家、というよりも薄くても広い知識を持っている人のほうがいい成果を上げていると思います。
本当の専門はそれをよく知っている人に聞いて補充すればいい。
そんな柔軟性こそ求められているのではないでしょうか。
ただし、薄く広いだけではだめです。
薄い草原に木が1本か2本生えている程度の自分の強みは必要ですね。
すなわち他に与えられるものが無いと、協力もえられませんから。