最近、私の周りの技術者の同僚は非常に苦しんでいる人が多いです。
どのように悩んでいるかというと以下のパターンが多いです。
1.仕事はそれなりにあるが、単調で飽きてしまった。
2.やることが無くて暇してる。
3.延々と急ぎ仕事に巻き込まれ、余裕がない。
残業時間を含む就業時間の長さにかかわらず、上のような人が混ざり合った混沌とした状態にあるのは意外(もしくは、想像通り?)と思われるかもしれません。
机の前でパソコン開いているものの、ずーっと本を読んでいる人、パソコン上で進展の無い同じ作業を繰り返している人、仕事しているよりお茶を飲んでいるほうが多い人というパターン2の方がいる一方で、「これ明日まで」、「これ今日まで」、「緊急プロジェクトチームに召集する」と全く余裕のない急ぎ仕事に巻き込まれるパターン3のような人など、状況は同じ事業部でも実に極端かつ様々です。
因みに、上の極端に違う方々の間では、残業時間にあまり差が無いのが普通です。
遅くまで会社にいる=仕事が集中している人、仕事ができる人
必ずしも上の式が成り立たないのは既に公知の事実です。言ってしまえば古き良き時代の美徳感覚とでもいいましょうか.....。
とはいえ、評価しやすいという事情から社内では残業時間が大変かどうかのパラメーターになっている状況は大きくは変わりません。
そして、一度それなりの山を越え、成果も出し、仕事に充実感を得たり得なかったり、でも最近単調だなと感じているパターン1の人は語られることが少ないような気がします。
私自身はこのパターン1が最も近いと思います。
入社当初から7年目くらいまでがむしゃらにやりました。前任者の居ないすべてが「未知」の領域でしたので大変でしたが、とても楽しかったです。当時の上司と二人三脚だったのですが、二人で切り開いた道が後のルールになったことも多々あります。そして会社のプレゼンスを高める成果も出しました。
しかし、仕事にはゴールがあります。
ゴールに到達すると、視界が急激に変化しました。
非常に遠くが見えるようになったのです。
いいことですよね?でも、色あせてるんです。すべての景色が。
一通りの修羅場を通ると、難易度がそれ以下のものは魅力のないただのモノクロ景色に変化してしまいます。
一緒にやっていて追いつけないな、と思った上司もただの人に見えてしまいました。本当の前線で戦うことで得られた経験によって向上した自分のスキルが、上司のそれを上回ってしまったのです。
そうなると、つべこべ指示を出す上司はただの邪魔者でしかありません。私は上司をある意味追いつめ、上司は辞めてしまいました。たまたま退職したいというタイミングと合っただけかもしれませんが.....。
その時の訪れるのがパターン1の状況です。
上司もいなくなり、自由裁量が増え、でも仕事は自分にとって魅力的でない。一言でいうと日々が「単調」になるのです。
過去に頑張っていた人ほどこの状況に直面することが多いと感じます。そして、この状況は自分のありたき姿と現実のギャップが冷静に見える故とてもつらい日々となります。
私が模索したこの1年で見出した解決方法(もちろん答えではありません)があります。
ズバリ「営業」です。
???
技術者で営業?と思われるかもしれません。
具体的には自分のスキルを社内外に売り込みに行くのです。
ただし、大前提があります。
「自分」でテーマを決めて自分でそれを研究する。
仕事創出力は必須の力です。他人から言われてできるという「仕事遂行能力」は売り込みにはそれほど有効とは思えません。ある程度「歳」を重ねた人は(30歳までの若い人はまだ伸びしろがあるので、仕事遂行能力も大切です)できて当然だからです。技術者として売り込めるには、自分で課題、テーマを設定し、それを解決に導く、もしくは新しいものを発見するというのは、必要最低条件です。
そして本題の営業。
私は何をしているかといいますと、社内では個人的なつながりを頼りに、他の事業部に一緒にテーマをやらないか、と誘いをかけています。
その際は、自分はどういうことができて、どういう所が足りない、そして自分が抱えている部下や時間、お金の情報をこまやかに伝えた上で、先方とテーマの検討議論(この会議は有意義です!)を行います。
これについては実際に少しずつ動き出しています。ここで大切なのは上層部(管理職、役員など)に知られないこと。頭が固く、すぐに成果の欲しい上層部に知られてしまうと自分のペースが乱されてしまいます。
また、社外でも売り込みをかけています。「自分はこういうことができる人間です。お金を払って仕事を依頼したいと思いますか?」と。これはとても面白いです。なぜなら社外は社内よりも目がシビアだからです。社外の何人かにアプローチしましたが、一様に「う~ん。」といわれています(笑)。ただ、どうして仕事を依頼したいと思わないか、を非常に客観的に言ってくれるので自分のスキル、立場を再確認するのに役立っています。今後も続けていきたいと思います。
上述のような社内外の取り組みは、私に新たな景色を見せてくれています。自分が良く見えるようになった、と思ったのは自分のいる小さな星の景色でしかないと痛感する日々です。そろそろ自分の居る星の大気圏を飛び出すときなのかもしれません。
今後はさらに外の世界に目を向け「営業」をしていきたいと思います!
もちろん、日々の業務を通じ自分の鍛練を継続するのは言うまでもありません....。