私事ですが、中古のマンションを買いました。
この取引の際、仲介業務をやってもらった不動産会社があるのですが、
ここの社長さんとの話に強く感銘した部分がありましたので書いてみます。
その社長は、いわゆる2代目以降のサラリーマン社長ではなく、
「創業者」である初代社長(現役)です。
23年前に起業して、今では社員数名を抱える不動産会社に成長して、
私の住んでいる地元では存在感があります。
従来の不動産業界の常識と逆行する「完全なるお客さん目線」で成長を続け、
人口もさほど多くない私の今の居住地にて地元密着企業として、
その立ち位置を確立しました。
やはり創業者が現役として最前線にいるため、その会社の雰囲気が実にいい。
お客さんのため、地元のためという気持ちが、社長だけでなく社員の方々からあふれ出ています。創業時の精神が受け継がれている証拠ですね。
決済や諸手続きが終わった後、社長が来て「少しお話を」と声をかけてきました。
「社長は話が長いので、フルコースだと2時間です(笑)」という社員の方の話を裏切らないマシンガントーク。
しかし、起業に至った経緯、今の日常をうれしそうに話す社長さんの話は70歳とは思えないパワーに満ち溢れていました。聞いていて本当に楽しかったです。
その話の中で最も印象に残った言葉、それは「代謝」という言葉です。
日本には400万社を超える会社組織があるようですが、資本金が数億円、数千万円を超える大企業は0.3%しかないそうです。
特にその中小企業の入れ替わりは本当に激しいようで、年間1万を超える会社が倒産や、経営者の病気や死去による閉鎖、という理由で世の中から消えているとのこと。
「だから経営は厳しい」
というお決まりの言葉が来た後の言葉が心に響きました。
「つまり、代謝が起こっているんですよ。消えていく会社がいるから生まれる会社がある。消えていくものが無いと、いつかは生まれることも難しくなってしまうでしょう。」
なるほど.....。
よく考えてみれば命も同じではないかと。
私は3人の子供に恵まれ幸せな日々を送っていますが、これも有限。
いつかは自分の命の終わりによってこれも終わります。
ただ、見方によっては私がいつまでも生きていては、地球は人であふれかえり、
いざこざも絶えなくなるでしょう。
そして、有限だ、と認識しているからこそ、この日常を大切と思えるのでは。
つまり、人も代謝しているんですね。
社長はさらにこう続けました。
「あなたも起業したいと考えるのであれば、是非やってください。世の中は常に代謝しています。」
とりあえず、私のやっていることを簡単に紹介し、
個人的な名刺を渡しておきました。
代謝という単語から色々考えさせられた日々でした...。