国際宇宙ステーション(ISS)の船長として、若田光一さんが選ばれましたね。
同じ日本人として本当に誇りに思います。
アジア人では初とのこと。
※本件に関するニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1310/29/news049.html
若田光一さんは、ISSの船長(コマンダー)のことを、
中間管理職とおっしゃっています。
みんなの意見を集約し、統制するという非常に難しい立場。
さらに、故障や火災などの緊急事態の際の対応責任者も担うそうです。
では、若田光一さんはいわゆるワンマンリーダーなのでしょうか?
少し前、新聞の記事で若田光一さんが宇宙飛行士に選出されるまでのダイジェストを読んだことがあります。
これを読んで唸ってしまいました。
宇宙飛行士となる前の選抜試験の一つに、
閉鎖環境で色々なミッションをチームでこなす、
というのがあります。
どうやるのか、だれがリーダーをやるのか、役割をどうするのかはすべて参加者の中で決めます。場合によっては、試験主催者から「意図的に」トラブルとなるような指令を出すこともあります。これらの過酷な環境においてどのように振る舞うのか、ということが選考対象になるとのこと。
当時の若田さんは、この選抜試験のチームの中ではリーダーではなく、
1チームメンバーとしていましたが、
意見が割れてチームの中でのもめごとが起こったそうです。
その時若田さんは、そのもめごとの鎮めるため仲裁に入り、意見を集約させることに成功しました。
これはこれですごいことなのですが、最も私が共鳴したのはその後の動き。
若田さんは、意見を集約させてチームをまとめた後、さっと後ろに下がり、
リーダーにバトンを静かに返したそうです。
あくまでリーダーとして決めたらリーダーを補佐するだけで、自分がでしゃばることはしない。チームプレーをうまく回すことに気持ちを集中していたようです。
通常は「俺が、私が」と言いたくなる(アピールしたくなる)この状況にあって、若田さんのこの振る舞いが他の人とは際立って異なっており、これが決め手となってJAXAの宇宙飛行士に決まったと聞いています。
極限環境で必要な人格とは、みんなを引っ張ることもできるけれども、常に周りに気を配ることができる、ということなのですね。むしろ気配りできるという人格によって、メンバーは自然とまとめられていくのかもしれません。
それに比べて会社の実態はもちろん、会社で受けさせられるリーダー研修なるものも、人を引っ張ることに主眼が置かれ、場合によってはリーダーを任せながらまとめる、という本当の意味でのリーダーには言及されていないような気がします。
残念ながら私自身は若田さんのような人格者ではないので、チームメンバーみんなの仲介に腐心するようなことはできません。しかし、人にうまく「任せる」ことでチームを回す、という私のスタイルは、引っ張るという一般的なリーダー論よりも、若田さんのやりかたに近い気がします(言いすぎですかね(苦笑))。
近いうち自分の考えをまとめる意味でも、私の考えるリーダー論について、執筆をしてみたいと思います。