発明はだれのもの?

本ブログへのご訪問ありがとうございます。


ユニバーサル技術者のShuichiro Yoshidaです。






発明はいったい誰のもの?







これは、技術者、研究者永遠の命題でもあります。





今朝の新聞で、企業の従業員の発明した特許の権利は企業に属する、という考えを軸とした特許法改正案が出た、と書かれていました。






新聞記事では、



「これでは、研究者、技術者の発明意欲をそいでしまう」



と書かれています。









当然一理あります。






が、実際に現場で技術者としてやっている管理人からみると、それほど単純でもないかな、という気もします。











というのも、研究者や技術者は報酬が欲しくてやっているとは限らないからです。








管理人も年間3件程度の特許を出願しています。



そして発明権利は従業員にあるといわれている現在であっても、


企業においては出願する前に権利の譲渡書を書くことを半ば強制され、従業員としての権利は一瞬で手元から離れていくのが現実です。






発明に至るまでには、企業の設備、お金を使うという忘れてはならない現実があります。


さらに出願費用、権利の維持費も会社が負担します。




そのため、発明権利を会社に譲渡するのは妥当と考えています。




もちろん、中村修二博士のような、会社に莫大な利益を生み出す発明をした場合は会社も考えなくてはいけません(もちろん、極めてまれなケースですが)。このようなものについては、事前に会社の方で利益の何パーセントは発明者に支給する、といった別規定を設けるといった姿勢は必要なのは管理人も認めます。






では、多くの技術者は何が欲しくてやっているのか。





その現場の声に今一度耳を傾けてみてください。






例として管理人の話をします。






管理人の場合は、





自分の名前が残る





という記録が欲しくてやっています。







あぁ、あの人はこういうことをやってこういう成果をだしたんだね。




そのようなことをずっと後の世代の人が見てくれるかもしれない、それによって自分の技術者としての存在が忘れられずに認められ続けることこそ価値があると考えます。






特許は一度出願すると、発明者の名前は永久に残ります。



これは本当に大きなことだと思います。



親から頂いた名前がずっと残るわけです。










しかし、何度も言っているように特許は戦略的要素も入るもの。







技術者、研究者としての真の名前を残すのであれば、やっぱり専門家としての審査がある、





学術論文





こそがより大きな栄誉でしょう。











最後に、この名前を残す名誉以上に管理人が欲しいもの。








それは、






外からの指示命令がなく、予算もあり、自分の知りたいことをとことん突き詰められる自由な環境







です。








研究者、技術者は、皆これしか求めていないのではないでしょうか......。






最後までお読みいただきありがとうございました。