本年4報目の学術論文に挑戦します

本年総仕上げとして、4報目の学術論文の構成検討を開始しました。

 

本ブログへのご訪問ありがとうございます。

 

 

 

ユニバーサル技術者のShuichiro Yoshidaです。

 


今年もあとわずかとなってきましたが、年内に4報目の論文を書くことにしました。

 

次の論文も本ページの管理人がFirst Authorですが、書く内容の専門範囲が今までで一番広い。というより、管理人があまり強くない分野の専門性も含めて書かなくてはいけないという状況になっています。

 

そのため、この専門外の部分に関しては、今回の評価で協力してもらった委託企業様の技術者にも協力してもらうことにしました。

 

 

まだ30歳過ぎの管理人より若手の技術者の方ですが、とにかく仕事に関して真摯。

 

管理人も今まで色々な技術者と仕事をしてきましたが、提出していただく報告書を見て

 

「この報告書は楽しい!」

 

と思わせてくれたただ一人の技術者です。

 

最終的な考えに至った経緯、実験の詳細、得られた結果の記述とそれに対する考察。管理人は心から、

 

「いやぁ、この人と仕事するのは楽しい!」

 

と感じていました。

 

 

ところが、この技術者の方は中小企業の技術者であるため、多くの仕事を抱え、なかなか時間がとりにくかったらしく、ここ1年の報告書の質は明らかに低下していました。

 

 

今年の夏頃にAさんから提出されたものは、いわゆる普通の技術者が提出する「普通の報告書」となっていました。

(普通の報告書というのは報告書のレベルには達していません。管理人の考えでは....。)

 

 


そして、この優秀な技術者の方(会話中、Aさん)を呼んでこういいました。

 

 

(管理人)「Aさん。あなたは私がいろいろ仕事をしてきた中で、最も仕事を一緒に楽しめる技術者、研究者の方の一人です。得られた結果に対してこれほど深く考察し、きちんと文章でまとめられる人は他に知りません。そのくらいAさんの仕事ぶりをかっているからこそ、これから凍結されるであろう最後の予算をつぎ込んで評価を行おうと考えています。」

 

(Aさん)「吉田さん。そのようにおっしゃっていただけることは光栄ではありますが、わたしは吉田さんの思っているような技術者ではありません。」


(管理人)「ただ、正直ここ1年の報告書というアウトプットの質を見ていると、徐々に低下している感は否めません。例えば、今回依頼したお仕事である、該当分野の文献調査ということについては、ただまとめたというだけで力を入れたという痕跡がみえません。他の技術者の方なら私も仕方ないか、と思う所ですが、Aさんのアウトプットとしては少し質が低すぎると言わざるをおえません。大変失礼かもしれませんが......。例えば、今回30報の選考文献について調査していただきたいという依頼でしたが、アブストラクトを読み込んで分野別に分けていただくことは、それほど難しいことではありません。私もこの打ち合わせの30分前に少し読み込んでみましたが、例えば、これらの文献は大きく分けて4つの領域に分けられると考えます。今さっき手書きで書いたレベルで申し訳ありませんが、例えばこのような分け方はいかがでしょうか。その上で、今後研究を進めるにあたり方向性というものをAさんの専門性の観点からご提案いただけると、とても内容に実のあるものとなると考えます。」

 

と、打ち合わせ前に30分ほどで書いた手書きの報告書の構成を披露し、Aさんに管理人の熱意を示しました。もちろん、お金を払ってやってもらっているのでこちらは依頼者です。しかし、依頼者が明らかに理不尽な高いレベルでのアウトプットを要求しているのでは先方から信頼されません。

 

そこで、「わたしならこう書く」ということを実例として示したのです。これを示されれば相手はどのような事を要求されたのかを理解できる一方、依頼者側も無理なことを要求しているわけではないということがわかってもらえると考えたのです。

 

 

 

しかしこのような日々は束の間。予想していた以上のスピードで、研究予算は完全凍結。研究を進める環境は一気に悪化。更に量産開発での問題の勃発とチームメンバー引き抜きにより、管理人が築き上げてきたチームは完全崩壊。

 

これによって、技術者・研究者としてすべての根幹にある

 

「熱意・やる気」

 

を失ってしまいました。失望を超えて、あきらめの境地に達しました。初めての感覚でした。

 

 

あっという間のできごとであり、短期間で立て続けに起こった試練でした。

 

 

 

ただしこのような事態を予測して予め先行で動いておいたのが、予算凍結直前に進めておいた、このAさんとの評価だったのです。最後の希望の光といったところでしょうか。

 

 

そしてこの評価が10月に終わり、報告を受けたのです。

 

 

どのような内容か楽しみな一方、前のようなやっつけの報告書が出てきてしまった場合は、最後の最後で何もできずに終わるのか、という危機感もありました。

 

 

すると.....。

 

 

 

1年前のAさんのような素晴らしい報告書が上がってきたのです!これをベースに議論を展開できる可能性のあるとても進歩性のある報告書でした。

 

 

これを見た瞬間に管理人の頭に浮かんだ考え。

 

 

このAさんとの仕事を国際科学誌へ論文を投稿し、その進歩性を世界で証明する。

 

 

ということでした。

 

 

当初、Aさんは、

 

 

「論文なんて書いた事もないので、足手まといです....。」

 

 

といっていましたが、今はやる気になり、

 

 

「何かありましたらおっしゃってください。協力いたします。」

 

 

と言ってくれるようになりました。

 

 

ただし、国際科学誌へ論文投稿するという意味合いを理解していただかなくては、管理人の状況もわかってもらえませんので、先日お会いした上出洋介先生の名著、


国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書き方

 

を紹介し、読んでいただくようお願いをしました。

 

 

そんな経緯があっての4報目です。

 

 

管理人の仕事のフェーズを上げるのに協力してくれた技術者の方の視野を広げ、さらに仕事の選別もせず、短絡的にすべての研究予算を凍結した現職に対する警鐘の意味も兼ね、本年最後の挑戦をしたいとおもいます。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。