技術者の主な仕事である研究開発は基本的に多額のお金がかかります。
これは、企業に勤める技術者の仕事は、最終的に具現化するという「工学系」の色が強いためです。
近い分野としては理学系があります。
理論を研究する場合、文献や検証を行うためのPCがあれば、
本当の最低限の研究はできるのかもしれません。
ところが工学系は実際の「物」を作るためにお金がどうしてもかかってしまいます。
素材費、加工費、検査費、輸送費、などなど...。
管理人の勤める企業も工学系の機械メーカーです。
しかし、今研究予算はゼロです。
管理人の今最大の悩みは、
このお金を使えない状況にあって自分のスキルを磨けることは何なのか
ということです。
実験もろくにできません。
素材をかうこともできません。
評価もできません。
そんな時ふと思いつきました。
できることはあるのでは、と。
今取り組んでいることは2つあります。
まず1つ目。
報告書や論文を書く、です。
今までやってきたことは当然ながらこまめに報告書にまとめておりますが、
これを過去のデータの再まとめという事で報告書を作成しています。
さらに、この報告書の内容を深堀りすることで論文も書いています。
日々使うインフラ(電気、水道など)、インターネット接続や電話代といった通信費、
印刷する紙とトナー代といった消耗品を除いてお金はほとんどかかりません。
論文のように対外発表するにあたっては特許を書くので、原稿作成料、出願料は別途かかりますが.....。
これを続けることは自らの論理性に磨きをかけることはもちろん、
専門性の成長にもつながります。
そしてもう一つが技術者人材育成。
今管理人は平均年齢20代後半の若いチームのサポートをしています。
彼らがやっていることは、今まで管理人がやってきたことの後追いと、それを上回るより大きな仕事というイメージです。
そのため、管理人の知見はそのまま若いチームメンバーの知見となり、その後のステップアップに重要となるのです。
この人材育成はとても興味深いです。
スキル、性格といった差を考慮しながらも、彼らが最短距離で成果を出すための知見を提供する。
とても勉強になる仕事です。
管理人、初めは圧倒的な実力差のある上司のもとに入社。
全くの異業界な上に、上司は厳しく、そして管理人の実力も足りませんでした。
それでも、前職を13か月で辞めているということもあり、ここで逃げたらずっと逃げ続けると自分に言い聞かせ、歯を食いしばって頑張ってきました。
その後、育成方針や業務の進め方で対立した上司は退職。
ここから、管理人の人材育成に対するキャリアがスタートします。
結果的には、チームや事業所の枠組みを超えて多くの若手技術者とふれあい、育成をし、
管理人の期待を上回るスピードで成長してくれました。
当初は自らの抱える研究テーマを進める時間を捻出するため、仕事を任せられる部下を育成する、という気持ちでやっていましたが、今は人を育てることに喜びさえ感じています。
この人材育成というのもお金をほとんどかけずにできます。
何よりうれしいのは、管理人が育成した若手たちが上昇気流に乗って活躍をし、生き生きした姿をみせてくれることです。
管理人が自分で成果を出すことよりも、育成した若手が活躍する方がうれしいというのが今の気持ちですね。
お金が無いから何もできないと腐るのは簡単ですが、この環境でもできることを少しずつでも前に進めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。