最近諸事情で役所に行く用事がありました。
その帰り、フラッと図書館によりました。
そこで手に取ったのが以下の本。
ご存じな方もいるかもしれません。
一言でいうと、考えさせられる一冊でした。
性別的には男女それぞれの視点からの話が書いてあるので、
対象読者は両方だと思っています。
10代、20代の方にはあまり響かない内容だと思いますが、30代以上の方には間違いなく響く、または後に響く内容となっています。
個人的には10代、20代の人がこれを読んだことで保守的になるくらいであれば読まない方がいいと思います。ただ、30代以上は逆にこれを読んでいろいろ考えるのが当たり前かな、と思っています。
10代、20代は色々な意味で挑戦、成功、失敗の経験を積み重ねなくてはいけない時期だと思っています。この時期を必要以上に上の年齢の人が押さえつけてはいけません。限界が出てしまうからです。
その一方でこの年代であまりにも自由にやった人もあとで大変になります。人の気持ちを思いやる、協業する、配慮するといった思考回路が未熟でワンマンになってしまうからです。もちろん、カリスマを持ったその道を行く限られた人はこの限りではありません。もっていますよね、本当にワンマンでいける人は。もちろんごくごく限られた人ですが....。
さて、上記の図書ですが本当に将来訪れる可能性や心理状況を細かく描写しています。私も何度不安で読むのをやめたかというくらいです。全く他人事に思えなかったからです。
日々の当たり前のありがたさ、そして将来訪れる自らの衰えとそれによる環境変化。
最後は誰しもが直面する死というイベントがありますが、そこにまっすぐ向かっていくこの心理状況はとても共感できますし、実際日々感じていることです。
このことをあまり考えていないのは裏を返すと現実から逃避している面があるのかもしれません。それが悪いとは言いませんが、間違いなく訪れる将来的な変化についてたまには考えてみるということはとても大切なことであると思います。
本書を通じての管理人の感想はというと....。
1. 将来訪れる衰えや不安は予想通りだが、悪いことばかりではない。
2. 自分個人の力と他人の協力の組み合わせによって築き上げられたものは永遠である一方、組織を通じて得たものは消費期限がある(組織の肩書なしで築き上げたものは非常に価値が大きく永遠である一方、企業などの組織で築き上げたものはその組織を外れると価値が激減する)。
3. 人を思いやる気持ちは必ず報われる。そして誰かが見ている。身近な人(家族等)ほど大切にすることが重要。
4. 自分(管理人)が歩んできた道が恵まれていること、そして岐路で行った自分の判断は間違っていなかったということ。合わせて、恵まれた道を生かすも殺すも本人の姿勢次第ということ。
5. 死と距離を持ち過ぎてはいけない。
フィクションで久しぶりに一気読みした本でした。
本ブログをご覧の方がどのような感想を抱かれるのかはわかりませんが、30代以上の方であれば是非一読いただきたいです。
10代、20代の方に対しては、偏屈にならないのであれば今のうちから将来について具体例を持って考える良い題材になるかもしれません。
最近仕事が非常に忙しいのですが(ビジネス的には良いことですね。ニーズがあるということの裏返しなので。)、こういう時だからこそ小説を読むことで気持ちが落ち着くと実感しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。