表題のとおり、またか、という感じです。
現在、事業展開の観点から商標を取得し(日本では商標登録済み)、
さらなる拡大を見据えて国際出願しているのですが、
そこで「またもや...」という事象です。
国際商標出願をされたことのある方はお分かりかと思いますが、
基本はマドプロに基づいた申請を行います。
マドプロは、
マドリッドプロトコル
という複数国に出願するにあたって非常に有益なシステムで、日本もこのシステムに参加しています。こういう評価すべき日本の取り組みがあまりマスコミで取り上げられないというのは残念とも言えます。
マドプロについて知りたい人は以下のURLなど良いかもしれません。
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/pdf/panhu/panhu18.pdf
このマドプロでの大まかな流れは以下の通りです。
基本的に自国で登録された商標を日本の特許庁を経由して国際事務局である「WIPO : World Intellectual Property Organization」に情報が送付されます。
国内商標登録は自力でやりましたが、海外出願は代理人を立てないと難しいため、管理人も今回は国際出願に対応できる弁理士にお願いしています。
※因みに特許事務所は結構ありますが、マドプロ対応不可という事務所が思ったより多かったのは驚きです。事務所が内向きなのか、そもそも需要が無いのかわかりませんが.....。
そしてWIPOで審査が行われ、国際登録簿に記録され、
国際公開された後、各出願国に通報が行って、各国で審査が行われます。
またか、という事象はこの国債登録簿に管理人の商標が登録された後に起こりました。
IOIP:
International Organization Intellectual Property Registration International Mark
というところから、
8日以内に、1956ユーロ払いなさい
との通知が。
ご丁寧にIOIPはロゴつきで、それなりの上質紙でしかもきちんとした国際郵便で送ってきました。
金額も事業という観点でいうと高すぎず安すぎず。
しかし期限がやけに短い....。
私が独立して間もない頃だったら焦ったでしょうね。
でも、今や曲がりなりにも数年間、自分で試行錯誤してきながら事業を法人(株式会社)にまで育てた代表取締役(一応....節目的な部分もありますが....(笑))。
結論から言うと、
これは詐欺だ
と瞬間的にわかりました。
こういう直感が働くようになったのがサラリーマンだったころと一番違うことかもしれません。理屈ではなく、「ん?!おかしい。」ということを考える感覚が研ぎ澄まされてきた気がします。
上の文言を冷静に読めば誰でもわかることかもしれません。
しかし自分のお金で事業をしている人間だと冷静にみることは言うほど簡単ではありません。リスクはすべて自分で背負わなくてはいけないからです。
これは会社員しかやったことのない方には絶対にわからない感覚です。
このリスクは取るべきかそうでないか。
それに必要な時間やお金はどのくらいか。
または、そもそもこのリスクはリスクではないのではないか。
そのようなことを迅速に判断しなくてはいけません。
こういう瞬間に、自分も多少成長したなー、と実感できます。
一応、特許事務所には、
これ、詐欺のやつなので処分しちゃっていいですか?
(今後の通報に使う等)もし必要なら取っておきますけど。
と確認したところ、「破棄してください」と連絡がありました。
その後、ご丁寧に「以下のような情報も出ています」とのこと。
http://www.wipo.int/pct/ja/warning/pct_warning.html
まぁ、強いて言えば予め教えてほしかったかなー、というのもありますが.....。
落ち的な感じではありますが、WIPOの登録書にはお金を請求することはないから気を付けてね、と警告文が載っていたのも私が冷静に判断できた一因でもあります。
どちらにせよ、短期間でお金を請求するというのは海外だけに限りませんが詐欺の典型例ですよね。正式なやつはお金がもっとずっと高いか、かなり安いか(無料等)で、こんな中途半端金額ではありません。
さらに言うと期間猶予も数週間から数カ月単位ですよね。
最後にどうして「またか」という文言だったのか。
複数回そのような場面に直面したからですね。
参考記事:
ということで、国際商標出願をもしご自身でやられていて、何らかの課題に差し掛かっている方がいましたらその抑止にご活用いただければと思います。
実際Asia YG networkの記事は「この記事のおかげで詐欺だとわかりました。助かりました。」と個別にコメントをもらったこともあります。
ということで世の中悪い人が多いという記事でした。