1月23日の朝刊に載っていた話を少し紹介します。
仕事が細分かされすぎて、協力会社さんの管理をすることを仕事と思っていた。
震災時に福島第二原発の所長だった増田氏の話です。
これは難しい問題ですね。
下請けの方にやってもらうのが当たり前となってくると、
当の本人は力がつかないまま歳を取ってしまうのです。
年齢を重ねてしまってからスキルを上げようとするのは極めて難しいと思います。
大切なのは若いころから自分の信念を持ち、スキルを上げるという向上心を持ち続けるということだと信じています。
とはいっても個人の問題と組織の問題は別々です。
自分のスキルを上げたいために、いつまでも現場で頑張っていても、
仕事が進むスピードも遅れてしまいますし、そしてこのスピード感の欠如によりそこから何かを学べるとしても、スキルを上げるのに時間を要してしまいます。
また、そのスキルは上がるかもしれませんが、他のスキルへの波及という、
「幅を広げる」という作業が遅れてしまいます。
ある程度幅の広いスキルというのはとても大切だと思います。
楽をしようと思って下請けを使うのは問題ですが、自分でもできるけど、下請けに任せた方が進むのが早いと考えれば、そのようなやり方を選ぶのは必ずしも間違ってはいないと思います。
任せることができれば、その空いた時間で違うことを行うこともできるからです。
しかしながら組織の運営や経営を行う側が辛抱強く待つという余裕がないと、現場力は上がってこないのも重要な点です。
辛抱強く待つにはそれを持ちこたえる資金力も必要ですし、
資金があったとしても時代に取り残されてしまってはその組織の存続が危うくなる。
増田氏の発言はとても的を得ているのですが、この様に現場は現場で、組織は組織で色々な問題やジレンマを抱えていたに違いありません。
そして、組織が大きくなればなるほどこのようなことが多く発生するに違いありません。
この手の話に接するたびに思うことは、どうしたらこれを解決できるのだろうか、
ということです。
残念ながら今の私の頭と経験では解決策は見いだせません。
ただし重要となるポイントは組織の規模だと思います。
組織が大きくなればなるほどこの手の問題は起こりやすくなる傾向があるからです。
そういう意味では解決策かどうかはわかりませんが、組織の規模をある一定以上大きくしない、というのが「改善策」にはなるのかもしれません。