グローバル・イノベーション・インデックスの発表

マスコミでも出ていますね、技術革新力ランクなるものです。

日本が14位だ、みたいな記事がでています。

 

評価の中心となっているのはWIPO、つまり世界知的所有権機関す。

 

コーネル大学も評価モデルの提供で協力しているようです。

 

 

中身はなかなか興味深いものでした。

食糧問題に対する貢献を見ているというのが特に興味深かったですね。

 

以下のページでは日本語で評価結果を見ることができます。

http://www.wipo.int/export/sites/www/pressroom/en/documents/gii_2017_pr-808-j.pdf

 

上記レポートの2ページ目の後半から少し書かれていますね。

 

一部引用すると、

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技術革新は、この増加する 需要を満たし、持続可能な食料生産、加工、流通、消費、処理までの一連の領域や産業をつ なぐネットワーク「フードシステム」の向上を促すのに必要な、生産性の伸びを持続させる 鍵となります。 

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といったことが書かれています。

 

ドローンやIoTを応用したデジタル農業が一つの解決策として述べられるなど、なかなか興味深い切り口であると思いました。

 

 

さて、細かいことはとりあえずおいておくとして、いつもこの手の評価を見るごとに複雑な気持ちになります。

 

なぜ、ヨーロッパや北米の組織がその主眼点で評価をしているのでしょうか。

 

例えば技術革新を国別で分けるということについて考えてみます。

 

実際に特許を出す、論文を出す、といったことを一つの指標にしたとしましょう。

 

特許というのはその数が技術革新とイコールであるというのは間違いで、どちらかというと事業戦略の意味合いの方が高いです。

 

むしろ特許にしなくてもノウハウとしてその技術を手のうちに持ちながら商売できるのであればそちらの方が戦略としては正解の場合も多々あります。なぜならば特許は大切な部分を公開する代償として知的財産を権利化するというロジックだからです。

 

そして特許は派生特許としていくつもの請求項を分けて出すこともあるので、数はやり方によっては意図的に増やすこともできます。

 

そして論文についても北米のような海外の学生をオープンに受け入れているところは、その大学で教授指導のもと論文を書くでしょう。しかし、実際に書いているのは中国やインドの学生の方々であるというのはざらにあります。それでも発表された大学が北米にあれば北米の論文掲載成果としてカウントされます。北米の国民が実務を担っているとは限らないのです。

 

実際、管理人も論文を書き、たまに査読も行っていますが、例えば中国やインドの方の論文は本当に多い(名前で国籍を推測していますので、帰化している方かもしれませんが)。非常に興味深い内容もたくさんあります。

 

つまり学生が研究しやすい環境を整えたという意味では北米の成果なのかもしれませんが、実情は少し違うのかな、と思うことがあります。

 

 

 

いずれにしてもなぜいつまでも北米や欧州の方々が世界のことを評価しているのでしょうか。

 

日本や中国や韓国が自分たちの指標で世界を評価してもいいと思うのです。

 

 

管理人は国内はもちろん、欧州、北米を中心に技術のプロとして仕事をしていますが、今回の評価上位に来た国々の多くを見たこともきいたこともないくらい存在感すらないというのが実感です。

 

業界ジャンルが違うのかもしれませんし、管理人の範囲が狭いのかもしれませんが....。

 

 

そろそろ日本もいい加減に自分で何かを考え判断し、提案する、という方向に動くべきなのではないでしょうか。